ロシアの孤児院へ 。その1Trattoria Venezia
2013年06月22日

ロシアの孤児院へ。その2

モスクワから北へ100km余りの郊外にある孤児院にお邪魔したレポート続きです。

さて、そもそも何故この場所へ来れたかと言うと
3月のチャリティーイベントの時に一緒に活動した仲間で
音楽家で画家でもあるマキ奈緒美さんが、以前こちらでコンサートを開いた時
この場所の素晴らしさに酷く感動したのだそう。
そこで、今回、またこちらでコンサートを行なう機会を得て
「みなさんにも、ぜひ見て欲しい」と声をかけて下さり
あのイベントの時のメンバーを
Golden Discovering Team!(奈緒美さん命名w)として見学させてもらいに行ったのだ。

余りにも沢山の展示品がある為、見学の時間を多めに取ってのスケジュールだったのだが
思った以上に時間が掛かり(まぁ我々がはしゃぎ過ぎて時間食ったのだが。。。(ーvー;))
コンサートは大幅に時間を押して開始。

会場は校舎の中。

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いい感じの大きな木が、校舎を守る様に佇んでいる。

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何やら良い音楽が聞こえて来ると思ったら
低学年くらいの男の子がアコーディオンの演奏で迎えてくれているようだった。

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学校へも上がっていないちびっ子から大人まで、一杯に集まっている。

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前回のレポートの通り、ここには軍学校もあるため
そちらに通っていると思われる男の子も沢山。

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もちろん女の子も居る。
後ろから見てるだけでも、みんな仲がいいんだなぁ、と良くわかる。
年長の子が年少の子の面倒を良く見てて、とても微笑ましい。

ロシアのとある孤児院で、年長の子が年少の子をベルトで叩く姿を
楽しそうにビデオ撮影している姿がニュースに流れたのが記憶に新しかっただけに
この姿に心底ホッとしたし、
環境が子供に及ぼす影響の大きさを考えずにはいられなかった。

参照:Orphans brutal beating clip goes viral, outrages Russia-RT

きっとここではそんな事はありえないんだろうな。。。

コンサートは奈緒美さんの歌と演奏の他、この前のイベントでも行なった
書家でマブダチのカオちゃんとのコラボレーションも披露された。

子供達に2つの言葉を提案してもらい、それを表す漢字をカオちゃんが書き
奈緒美さんが即興でピアノを弾くというパフォーマンスでは
いきなり“Beauty(美)”、“ Joy(喜び)”なんて言葉が飛び出したり

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発言したのはこの女の子。

“Confidence(自信)”と“Life(人生/命)”なんて言葉が出て来て
どんな子が提案したのかと思えば

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この小さな男の子。
いやぁ〜、この場でこんな言葉が出てくるなんて驚きだ。
しかも、こんなに小さな子から!!

後で聞いた所によると、この子は
ロシアの有名な冒険家のフィヨドル・コニュホフさんのご子息なのだそう。
もちろん育児放棄などではなく、こちらに預けているだけ。
コニュホフ氏はこの孤児院に賛同し、自身の冒険の記念品等
記録の一部もこの場所に提供している。
その展示がされているフョードルの部屋を
先日紹介した博物館の建物の中にあるのを見学していた。

参考:フォードル・コニュホフ 旅は終わらない。VOR


このように、孤児ではないけれど
ここを維持管理するピーター神父の倫理、志に賛同する人達も入所している。

いやそれにしても、この少年、流石は冒険家の息子と言わざるを得ないw

他にも、やはりイベントで行なわれた「いろはにほへと」という
奈緒美さんが作曲した曲をみんなで合唱したり
みんな本当に楽しんでるようだったし、その一体感にとても暖かい気持ちになった。

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会場を出て行く子供達を後ろの席で見送っていると
みんな口々に「ありがとう」「さよなら」と笑顔で声をかけてくれた。

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中には日本語で話しかけてくる子も!

カワエエ〜。。。(´∀`*)ポッ

会場から子供達の姿がなくなると
今度は、アコーディオンやらバラライカやらを持った子供達が
ワラワラと入って来た。

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なんと、コンサートのお礼だと言って、演奏を披露してくれたのだ。

うわぁ。。。私、な〜んにもやってないし。。。
むしろ色々見せてもらって、お昼も食べされてもらって
こんなステキな演奏も聴かせてもらって。。。
スッカリ得しちゃいました。^^;

会場を出ると、奈緒美ねぃさんがサイン責めにwww

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みんな嬉しそう♪ よっぽど楽しかったんだろうね。

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だって私も楽しかったもの。^^

一段落つくとピーター神父が教室を見せてくれる、と案内してくれた

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一つ一つ趣向の違う教室がいいよね。
神父が教室に入ると、子供達は起立して挨拶をしていた。

そして、ここが“もう一つの図書室”。

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机もパソコンも備えてある。

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ここには4万冊以上はあるとのことだが
倉庫にも沢山の書籍が眠っていて、正確には何冊あるのかわからないんだそうだ。。。
既に別棟で見学させてもらった方の図書室と合わせると
わかっているだけでも42万点以上。すげーー。。。(; ゚∀゚)

そして。。。

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スゴい数の剥製!

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大型の動物、小型の動物、動物園で良く見かけるの、珍しいの。。。
とにかく世界中の動物を、ここでは一度に見る事が出来る。
をいをいワシントン条約とか大丈夫なのか?!という声も聞こえて来ましたが
敢えてムシですよ。。。( ̄▽ ̄;)

。。。あ。。。

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ひぃぃぃ〜〜〜〜っ!!((((;゚Д゚)))

これでも随分端折ったんだけど、本当に盛りだくさんで
もはや何が何だか分からないけど、とにかくスゴいってのは充分わかった。(;゚∀゚)=3ハァハァ

最後には、また子供達からのお礼という事で

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こんなカワイイ手作りの粘土細工(?)を私達一人一人にくれた。

結局帰りの予定時間を3時間近く超えての訪問となったが
本当に盛りだくさんで、あっという間だった。
それにしても、この場所が、一体どうやってあれ程のコレクションを集めたのか
いくら聞いても全く以て理解出来なかった。
「どうやってこんな物を手に入れたんですか?」
「ピーター神父のお友達が。。。」
「これほど沢山の数をどうやって。。。?」
「ピーター神父のお知り合いに○○がいて。。。」

ピーター神父は一体何者なんだ?!((((;゚Д゚)))

しかし、少なくとも見る限り、
穏やかで優しそうな立ち居振る舞いからは、胡散臭さは感じない。
何よりも、子供達が元気で楽しそうにしている姿は
なまじアル中の親元で育つくらいなら、
孤児としてここで暮らした方がよっぽど幸せじゃないかと思わせる。

発展著しいロシアではあるが、一方でいまだに
この国では命の価値が低く評価されてるのではないかと思う事がある。
それは例えば、「この国で病気になりたくないよね」「怪我したくないよね」
という切実な祈りに回収されるような事柄なのだが。。。
そのロシアで、こんなに美しい場所で、多くは“不幸”と形容される孤児達が
こんなに丁寧に扱われ、十分な教育を受け
新旧さまざまな文化芸術とロシアの自然に触れながら育つ事が出来るのは
まさに奇跡のようにも映る。

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ところで、先ほどのコンサートの時に、奈緒美さんが子供達に向けた言葉がある。

「みなさんが、世界を変えるんです!(Change the world!)」

その言葉を受けた子供達は、目をキラキラさせながら
「ダー!(そうだ!)」「Change the world!」
と、あちこちから声が上げられ、空気が熱くなった。

ここで育った子供達が、ロシアを、世界を変える日が
いつか本当に来るのだろうと、思わずにはいられなかった。

こんな貴重な社会見学をさせてくれた奈緒美さんと、
暖かく迎えてくれたピーター神父と院の皆さんに、心から感謝します。

そして、こんな素晴らしい時間をGolden Discovering Team のメンバーで共有出来た事を、
心から幸運だと思います。


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この記事へのコメント
1. Posted by 北極星   2013年06月30日 20:43
りりさん、こんにちは!
ロシアって本当に色んな面があるんですね。
明るい話題はロシアファンとして、うれしいです。
2. Posted by りり   2013年07月13日 01:51
北極星さん、
私もモスクワが思ったより長くなってしまいましたが
今でも驚く事が沢山あります。
面白い国ですよね。^^

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