2015年03月04日
展覧会「My Sign」
以前このブログでも紹介している、画家の太田美奈子さんが、
面白い展示会を開催する。
「My Sign」
今日は会場作りの最中をお邪魔しました。
写真家のセルゲイ君(Sergey Tabunov )とのコラボレーションで新たな試みに挑む。
二人が選んだモチーフは“タトゥー”。
人はなぜタトゥーを刻むのか?
日本的にはタトゥー/刺青と言えば、
ある社会に生きる人たちのシンボルのようなものであり、
虎や龍などの強そうな柄は見るだけで人をビビらせる。
今はかなり廃れてしまった和彫りでの刺青が施されていく工程の痛みは、
想像しただけでジットリと嫌な汗が出てくる。
つまり日本社会における刺青とは、少なくとも我々一般人にとっては、
威嚇の部分が大きかった。
本人が本当に強いかどうかは別として、
大きな和彫り(昔は和彫りしかなかったよね)を見たら、
それだけの痛みに耐えた人物であり、恐れを知らぬものと印象付けられ、
できれば近づきたくない存在として認識される。
近年は日本においても、痛みの少ない技法が用いられることがほとんどで、
また刺青を入れることの意味も大きく変化している。
カタギの人が気軽に、あるいは大きな決意を持って、
体に消えることのない印、Signを入れる。
そんな普通の人たちが入れる“Sign”に、美奈子さんは大きな興味を抱いたらしい。
作品を作るにあたり、二人は何人かの人にインタビューをしたのだそう。
その中の一つで、面白いエピソードを教えてくれた。
ある男性は、ジムで見かける人のTシャツに、なぜか惹かれて気になっていたという。
アメリカ製のTシャツで、鳥の絵が描いてある。
ずっと長い間、1年以上、そのTシャツの鳥に心を奪われていた。
しかし、ある時、男性はジムをやめてしまった。
それでも、そのTシャツの鳥の事が頭から離れない。。。
ついに男性は、Tシャツの持ち主を探し当て、見せて欲しいと頼んだ。
しかし、Tシャツは既に着古されて、どこかに行ってしまったと。
それでも彼はTシャツが必要だった。
かくして、そのTシャツの鳥は、彼の胸にタトゥーとして刻まれた。
男性はもう、Tシャツの鳥を永遠に失うことはない。
その男性のタトゥー写真。まだ作成途中。。。
会場では、作品と一緒にこのようなそれぞれのタトゥー・エピソードも展示される。
表層的なアートとしてのタトゥーの美しさのみならず、
その“Sign”と共に生きる事で進むべき道を照らし、
理想とする自分のあり方を思い起こさせる、
心の内側から滲み出た祈りのようなものが具現化した存在としてのタトゥー。
私自身、今までそんなに深くタトゥーについて考えたことはなかったが、
美奈子さんと話をしていくにつれ、
単純な自己主張や“若気の至り”とも捉えられかねないタトゥーが、
よりパーソナルで、スピリチュアルな側面があることがわかり、とても面白かった。
そんな深層心理が視覚化された様なものとして描かれた美奈子さんのタトゥー画と、
一方、セルゲイ君の写真は、
結果として体に描かれたタトゥーを彼独特の視点から生々しく表現している。
また、セルゲイ君が撮った写真の上に、美奈子さんが絵を描くというコラボ作品では、
写真という現実に精神性を可視化させたような異次元間の橋を架け、
二人の世界観を融合させている。
このコラボでは、文字通り、美奈子さんが体を張った作品があるのも見所。
ぜひ会場で見つけて下さい♪
展示会は明日3月5日から11日まで。
明日5日のオープニングは誰でも入場可。
18:00~22:00まで。
6日からは予約制の入場のみ。(詳細は文末にて)
セルゲイ君は2003〜2011まで大阪に住み、写真家、上山太実男に師事していた。
日本でも数々の個展を開いている。
冷たいお蕎麦にゴマをかけて食べるのが何よりも好きな好青年だw
日本語も話せるので、見かけたら話しかけてみよう♪
本日のセルゲイ君、まだまだ絶賛作成中。。。間に合うのか。。。?(ーvー;)
美奈子さんは、多摩美で日本画を学んだ後、アメリカ、イギリスで修復を学び、
ルーベンスやモネの絵も修復していた。
2007年から本格的に自身の作品に取り組み、日本、ロシアを始め
アメリカやフランスでも個展を開いている。
=========
「My Sign」
於:Gallery Otokomae
10 Neglinnaya
クズネツキーモストのZARAの横のゲートから入ります。
ツムから歩いてくると左手にZARA(写真左)すぐ横にゲート(写真右)
左方向、道なりに来ると左にギャラリーの入り口があります。
日時:3月5日(木)〜11日(水)
予約:3月6日(金)からはいずれかの方法で予約してください。
+7(495)646 5621(ギャラリー)
minako アット ota-art-restoration.com(太田美奈子さん)
※スパム防止表記ですので、“アット”を“@”に置き換えてくださいね!
オープニング・レセプション:
3月5日(木)18:00〜22:00 どなたでも入場出来ます。
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面白い展示会を開催する。
「My Sign」
今日は会場作りの最中をお邪魔しました。
写真家のセルゲイ君(Sergey Tabunov )とのコラボレーションで新たな試みに挑む。
二人が選んだモチーフは“タトゥー”。
人はなぜタトゥーを刻むのか?
日本的にはタトゥー/刺青と言えば、
ある社会に生きる人たちのシンボルのようなものであり、
虎や龍などの強そうな柄は見るだけで人をビビらせる。
今はかなり廃れてしまった和彫りでの刺青が施されていく工程の痛みは、
想像しただけでジットリと嫌な汗が出てくる。
つまり日本社会における刺青とは、少なくとも我々一般人にとっては、
威嚇の部分が大きかった。
本人が本当に強いかどうかは別として、
大きな和彫り(昔は和彫りしかなかったよね)を見たら、
それだけの痛みに耐えた人物であり、恐れを知らぬものと印象付けられ、
できれば近づきたくない存在として認識される。
近年は日本においても、痛みの少ない技法が用いられることがほとんどで、
また刺青を入れることの意味も大きく変化している。
カタギの人が気軽に、あるいは大きな決意を持って、
体に消えることのない印、Signを入れる。
そんな普通の人たちが入れる“Sign”に、美奈子さんは大きな興味を抱いたらしい。
作品を作るにあたり、二人は何人かの人にインタビューをしたのだそう。
その中の一つで、面白いエピソードを教えてくれた。
ある男性は、ジムで見かける人のTシャツに、なぜか惹かれて気になっていたという。
アメリカ製のTシャツで、鳥の絵が描いてある。
ずっと長い間、1年以上、そのTシャツの鳥に心を奪われていた。
しかし、ある時、男性はジムをやめてしまった。
それでも、そのTシャツの鳥の事が頭から離れない。。。
ついに男性は、Tシャツの持ち主を探し当て、見せて欲しいと頼んだ。
しかし、Tシャツは既に着古されて、どこかに行ってしまったと。
それでも彼はTシャツが必要だった。
かくして、そのTシャツの鳥は、彼の胸にタトゥーとして刻まれた。
男性はもう、Tシャツの鳥を永遠に失うことはない。
その男性のタトゥー写真。まだ作成途中。。。
会場では、作品と一緒にこのようなそれぞれのタトゥー・エピソードも展示される。
表層的なアートとしてのタトゥーの美しさのみならず、
その“Sign”と共に生きる事で進むべき道を照らし、
理想とする自分のあり方を思い起こさせる、
心の内側から滲み出た祈りのようなものが具現化した存在としてのタトゥー。
私自身、今までそんなに深くタトゥーについて考えたことはなかったが、
美奈子さんと話をしていくにつれ、
単純な自己主張や“若気の至り”とも捉えられかねないタトゥーが、
よりパーソナルで、スピリチュアルな側面があることがわかり、とても面白かった。
そんな深層心理が視覚化された様なものとして描かれた美奈子さんのタトゥー画と、
一方、セルゲイ君の写真は、
結果として体に描かれたタトゥーを彼独特の視点から生々しく表現している。
また、セルゲイ君が撮った写真の上に、美奈子さんが絵を描くというコラボ作品では、
写真という現実に精神性を可視化させたような異次元間の橋を架け、
二人の世界観を融合させている。
このコラボでは、文字通り、美奈子さんが体を張った作品があるのも見所。
ぜひ会場で見つけて下さい♪
展示会は明日3月5日から11日まで。
明日5日のオープニングは誰でも入場可。
18:00~22:00まで。
6日からは予約制の入場のみ。(詳細は文末にて)
セルゲイ君は2003〜2011まで大阪に住み、写真家、上山太実男に師事していた。
日本でも数々の個展を開いている。
冷たいお蕎麦にゴマをかけて食べるのが何よりも好きな好青年だw
日本語も話せるので、見かけたら話しかけてみよう♪
本日のセルゲイ君、まだまだ絶賛作成中。。。間に合うのか。。。?(ーvー;)
美奈子さんは、多摩美で日本画を学んだ後、アメリカ、イギリスで修復を学び、
ルーベンスやモネの絵も修復していた。
2007年から本格的に自身の作品に取り組み、日本、ロシアを始め
アメリカやフランスでも個展を開いている。
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「My Sign」
於:Gallery Otokomae
10 Neglinnaya
クズネツキーモストのZARAの横のゲートから入ります。
ツムから歩いてくると左手にZARA(写真左)すぐ横にゲート(写真右)
左方向、道なりに来ると左にギャラリーの入り口があります。
日時:3月5日(木)〜11日(水)
予約:3月6日(金)からはいずれかの方法で予約してください。
+7(495)646 5621(ギャラリー)
minako アット ota-art-restoration.com(太田美奈子さん)
※スパム防止表記ですので、“アット”を“@”に置き換えてくださいね!
オープニング・レセプション:
3月5日(木)18:00〜22:00 どなたでも入場出来ます。
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