暮れなずむモスクワ、暮れなずむ今年。ただいま!で、クロカン♪
2016年01月04日

私たちは、なぜルー語になってしまうのか?

明けましておめでとうございます。

日本的には、今日から仕事始めの所も多いと思いますが、
ロシア的には、クリスマスが終わるまで、もう少しお休みです。

で、ロシアのクリスマスは1月7日なわけです。
なので、この時期はまだまだ旅行や一時帰国でモスクワを離れている人も多く
ひっそりとした感じになっています。

 まぁ、在モス邦人に限らず、年末年始のこの時期は、一時帰国で日本に帰って来ている在外邦人は多い。

 1ヶ月滞在する人もいるし、1週間くらいで帰ってしまう人もいる。でも、1週間でも1ヶ月でも、その滞在時間はあっという間に過ぎてしまう。「一ヶ月あれば、ゆっくりできるでしょう?」と思われる人も多いと思うが、会いたい人リスト、“トゥドゥ・リスト”には、“プライオリティ”はあるが、リストの終わりはない。
 滞在期間が1週間か1ヶ月かは、リストの1番から8番までをこなせるか、1番から20番までの“タスク”を終わらすことができるかの違いでしかない。
 
 そんな短い滞在時間の中で、地元の旧友や、元会社の同僚と会って、近況を“キャッチアップ”するのは、最も楽しいリスト項目の一つだ。
 毎回会いたい人全員に会えるわけではないので、年に何回も“ホームリーブ”していても、1年ぶり、数年ぶりに会う友達も多い。そんなわけで、会ってくれる友達のみなさんは、久しぶりの感動の再会だったりするが、一時帰国者たちの中には、日本滞在中は毎日「感動の再会」をしている人もいる。

 しかし、そんな「感動の再会」の中、“ドメスティック”な友達との間に、微妙な空気を感じた経験をした人も少なくないだろう。

 例えば、ここまで読んでいただいて、「イラっ」っとした方、「あん?何言ってんだコイツ。」と思った方もいると思う。

ートゥドゥ・リスト(to-do list)/すること項目
ープライオリティ(priority)/優先順位
ータスク(task)/仕事、勤め
ーキャッチアップ(catch up)/追いつく
ーホームリーブ(home leave)/一時帰国
ードメスティック(domestic)/国内の

 普段は、汎用されてない(か、判断がつかない)英語(カタカナ語)は、なるべく文章の中には使わないようにしているが、話し言葉になると、私も概ねこんな感じで外国語を多用している。

 そう、まるでルー大柴のように。

「今日行けるかどうか、ちょっとペンディング〜。あとでジョインするかもしれないけど、先にエンジョイしてて〜」

 欧米カブレの馬鹿丸出しみたいな物言いだが、これは我々在外邦人の日常会話だ。帰国した元駐在も、外資系勤務の人も、同じような症状を持っているはずだ。

 私はといえば、アメリカでちょっと勉強したり、外資系企業で外人の下で働いたりしたあと、ドイツ、ロシアと10年以上の海外住みで、日常生活が100%日本語では過ごせない環境が、かれこれ20年くらい続いている。
 おかげさまでというか、なんというか、私の周りは概ね「ルー語話者」ばかりだ。なので、日本に帰ってきても、さほど気を使って話すこともない。

 が、たま〜〜〜に超ドメスティック(外国語にも文化にもあまり興味ないく超国内的)な人と会話をすると、英単語が出るたびに「XXって?」と半笑いで意味を聞かれるか、意味がわからないままに冷ややかにスルーされて、そっと「外国カブレ」のレッテルを貼られることがある。

 気持ちはよくわかる。きっと逆の立場だったら、私も同じことをする人になっていたかもしれない。

 でも、わかって欲しい。私たちは、決してカブレているわけではない。

 もとい。

 そう。私たちはある程度みなカブレている。
 でもルー語になってしまう原因は、カブレているからではない。言葉が出てこないからだ。ルー大柴も私たちも、結果的には同じ(か?w)ルー語を話しているが、その脳内からルー語が紡ぎ出される回路は大きく違う(と思う)。

 説明しよう。

 多くの在外者は、現地語と英語と日本語を使って生活してる。そしてその多くの人が、それぞれの言語を完璧には習得していない。だから、現地語や英語を話す時は、頭の中は結構必死に言葉を探している。さらに、日本語以外と日本語でしゃべる時では、頭の中の入るスイッチが違う。その入れ替えも、その言語の習得具合によって敏速にできなかったりする。

 そんな中で、ネイティブであるはずの日本語もだんだん怪しくなってくる。
 ここが「キモ」なのだが、日本語が怪しくなったからって、決してその他の言語がネイティブ並みになったというわけではなく、色んな言葉を使わなければならない環境のなかで、頭の中がグチャグチャになっているだけなのだ。

 結果、日本語を話していても、何かを言いたい時に、それが何語であるかは関係なく、一番最初に浮かんできた単語を使って話してしまう。しかも、周囲がみんなそんな感じだから、それでも通じてしまう。そんな環境が、私たちをルー語話者にしてしまうのだ。

 例えばこんな感じ。

「それちょっとサスピシオウスだから、ウエイト アンド シーしよう。」
サスピシオウス = suspicious = 疑わしい。
ウエイト アンド シー = wait and see =様子をみる。

 カッコつけて言ってる訳じゃなく。。。というか、こうして文字にして見るとマヌケ感がハンパないわけだが、「疑う」や「様子見」という日本語の単語よりも、英単語が頭に先に浮かんでしまった結果だ。「アレ、英語でなんて言うんだっけ?」と、英単語を頭の中で検索するのと同じように、日本語が出てこなくなることがあるのだ。「こんな簡単な言葉が?!」と不信に思うかもしれないが、意外と簡単な言葉が出てこない。「アレ、日本語で何て言うんだっけ?」と。

 これは日本語だけで起こっている訳ではなく、複数の言語に接してきた人は、それらが全部混ざってしまうことがあると思う。

 ある時私は、モスクワの対面のお惣菜屋で、こう注文していた。

「エタ フィア シュトゥック パジャルスタ」

 片言だが、「コレ 4つ オネガイシマス」と注文しているつもりだった。
 が、全く通じない。「コレなの?」「いくつなの??」と、聞き返す店員のおばちゃんに、私は「フィア シュトゥック(4つ)」「フィア(4)!!」と、繰り返す。

 しばらく繰り返した後、ハタと気付いた。
 「エタ(これ)」はロシア語、「フィア(4)」はドイツ語、「シュトゥック(個)」は、ロシア語もドイツ語もほぼ同じ、「パジャルスタ(お願いします)」はロシア語。総菜屋のおばちゃんに分かるはずもない、ロシア語版ルー語だったのだ。

 カブレているどころか、何もかもが中途半場で穴があったら入りたい。

 このように、我々は日々言語と戦いながら生きているが故に、母国語回路の劣化の末のルー語という話法を編み出してしまったのだ。

 多くの在外経験者がルー語話者だということを考えると、独特のシンガポール英語がシングリッシュとして市民権を得ているように、ルー語も一つの言語として認められる日が、いつか来るかもしれない。

 なので、どうかお願いです。
 もし、久しぶりに会った在外歴が長い友達がルー語話者になっていたとしても、「外国カブレ」のレッテルなど貼らずに、「苦労してんだなぁ」と思ってもらわないまでも、「オーマイガッ、意味わかんねーよwww」くらいに、生暖かくウケて笑ってほしい。「アハハ八八ノヽノヽノヽ。。。ゴメンゴメン!^^;」とか言いながら、その先の会話も息詰まらずに続けていけるように。。。

 
というわけで、オフ会ではルー語乱用のワタクシですがw
本年も「りすりす通信」よろしくお願い申し上げます!

エタ、マジ、パジャルスタな。( ̄ー ̄;)


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この記事へのコメント
1. Posted by 山   2016年01月05日 02:45
新年おめでとうございます!
日本のお正月はいかがですか?
英語で苦戦しているワタクシでございます(笑)
とっさにロシア語が出てしまう。もちろん英語に混じって。そしてもちろん日本語の単語も(特に熟語)すっと出てこない(あ、これは歳のせいもあるか)。
ほんと頭の中ぐちゃぐちゃです。
がんばります!
2. Posted by saya   2016年01月10日 08:41
りりさん、こんにちは。

私も以前はドイツ語を勉強していて(現地に住んでいたことはないですが)、そのせいで今でも英語やロシア語にちょくちょくドイツ語が混ざってしまいます。

特に英語とドイツ語は似てるので(同じ単語でスペルが違うだけってパターンも多いですよね)、ドイツ語がわからない外国人に英語でメッセージを書くときにドイツ語を混ぜてしまい後から気がついて恥ずかしくなります...。
「Sie is」とか「Wenn will you go?」みたいなんはしょっちゅうです。
自分でも嫌になります...。

ロシアに短期留学していた時もクラスの半分がドイツ語話者だったので、ドイツ語を喋りながらロシア語を勉強するなどという大混乱が起こってしまい大パニック^^;

あれほど熱心に勉強したドイツ語なのに今ではほとんど使用機会もなく、英語の邪魔ばっかりしてくれてます...。
3. Posted by Miki   2016年01月13日 10:31
りりさん、こんにちは。

いつも読み逃げしていて、コメントは数回しか残していませんが、いつも楽しく読んでいます。
私はNY在住でロシア人に囲まれた日常、でも住んでいる地域はポーランド人が多いので、すごくそれ、わかります。私も、昔はポーランド語のほうが強かったのに、今はロシア語で会話、テキスト、メールする機会が多いので、もう出てこないんですよね、ポーランド語が。
あと、NYは勿論英語中心なので、英語&日本語、英語&ロシア語、ロシア語&日本語、ロシア語&ポーランド語の行ったり来たりです。頭の中の言語の引き出し的には、分かれているようで、変なところでつながってるんですよね〜。
私も、疲れている時脳が回らなくて、「そう!Right!」とか、「Infused Vodka? яблокоは?」とか言っちゃったりしますしね。
まぁでも、失敗を積み重ねて成長していくんだと思います!!
4. Posted by りり   2016年01月27日 00:46
山さん、
今年も宜しくお願いします!
日本の生ぬるい生活から帰ってまいりましたw

ほんと、頭ん中ぐちゃぐちゃですよね。
ロシア語なんてろくに話せないくせに、パリにいっても「スパシーバ!」とか言っちゃうんですよね。^^;
お互い、今年もがんばりましょう〜 (;`_´)ゞ
5. Posted by りり   2016年01月27日 00:50
sayaさん、
わかります!ドイツ語と英語、にてる単語あるし、ロシア語とドイツ語もにてる単語が結構多いんです。どの単語がどの言語だか、わからなくなったりしますw
で、使わないと実践的にはどんどん忘れていくのに、ひょんなことで出てくる。。。というか、もはやそれしか出てこない。。。なんでだ?コレ、ロシア語でなんていうんだっけ?知ってるはずやん!なんでこの単語だけドイツ語しか出てこないんだ???
とかなったりして、うんざりします。
難しいですよね〜。。。^^;;;
6. Posted by りり   2016年01月27日 01:00
Mikiさん、
NYから、コメントありがとうございます!
大好きな街なので、テンション上がりますw

そうそう、NYにもロシア人街(?)みたいなところがあるんだそうですね。
Mikiさんの環境は、なかなか過酷そうですね。私ならもう、逆にどの言語も出てこなくなりそうです。。。^^:
言語の引き出しを上手に整理して出し入れするのは、訓練しかないのでしょうが、他言語ごった煮のルー語が通用する環境にいると、私などは、ずっとルー語に甘んじてしまい、正そうとも思いつかない恐ろしさですw

7. Posted by りり   2016年01月27日 01:00
Mikiさん、
NYから、コメントありがとうございます!
大好きな街なので、テンション上がりますw

そうそう、NYにもロシア人街(?)みたいなところがあるんだそうですね。
Mikiさんの環境は、なかなか過酷そうですね。私ならもう、逆にどの言語も出てこなくなりそうです。。。^^:
言語の引き出しを上手に整理して出し入れするのは、訓練しかないのでしょうが、他言語ごった煮のルー語が通用する環境にいると、私などは、ずっとルー語に甘んじてしまい、正そうとも思いつかない恐ろしさですw

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