2016年10月25日

今は昔。嗚呼、哀愁のモスクワ、タクシー事情

荷物を整理していたら、こんな物を発見した。
なんて懐かしい。。。

IMG_5990

このA4用紙には、丁寧な文字でみっちりと
タクシーの予約の仕方と、
それに関連する思いつく限りのカンバセーションの例、
それに必要な単語、車種、色、ナンバー、時間などが
ロシア語とカタカナ、英語を交えて丁寧に書いてある。

何度もコピーを繰り返し、
あるオーナーの元ではメモが書き加えられ、
さらにコピーされた次のオーナーの元で新たなメモが書き加えられ、
ところどころが濃くなったり薄くなったりしている。
このコピーは、モスクワに引っ越して来たばかりの時、
たった1人いた日本人の友達がくれたものだ。

この数年のモスクワ生活しか知らない人にとっては
これが当時、どれだけ重要なものであったかは想像もつかないかもしれない。

私が当地に越してきたばかりの2007年、
モスクワを自由に移動するというのは、とても大変なことだった。
もちろん、今と変わらぬメトロは当時もあった。
でも、会社によっては安全上の理由から
メトロの利用を禁止している企業がとても多かった。

モスクワでの車の運転もリスクが高く、
今よりもずっと酷い道路の状態と運転マナーの悪さ、
常態化していた渋滞に、1日に何件も遭遇する事故現場は、
いつ自分が巻き込まれてもおかしくないと常に思わされた。
今はかなりの部分が改善されつつはあるが、
それでも自分で運転する人はそれほど多くはない。

そんな訳で、車を利用している人の多くは運転手も雇ってるのだが
それが家族にも与えられるほど待遇の良い会社も、それほど多くはない。

そこで、多くの人が利用していたのがタクシー。

ただし、当時のタクシーは、
日本や諸外国のように、街中で手を上げればいつでも捕まえられるタクシーではない。
当時、街中で手を上げて停まってくれるのは100%白タク。
乗る前に値段交渉しても、降りる時に脅されて言い値を払わされたなんて話もよく聞いた。
モスクワにはメーターのついたタクシーはほぼ皆無だった。

では、どうやってタクシーを利用するのかというと
前もって電話で予約をするのだ。
もちろん全てロシア語。

例えば、水曜日に友達とランチ。レストランまで車を頼むとして。

月曜日には予約の電話を入れ、
予約1)自宅に何時に迎えに来て、どこに連れて行ってほしい。
予約2)どこに何時に迎えに来て、自宅まで送ってほしい。
と、アレンジすることになる。
ロシア語で。

ついでに言うなら、予約前に
「ランチには何分間必要か」とか、
「ランチの後は移動はあるかないか」などがわからないと
2番目の予約ができない。
ロシア語以前に、ガッチガチに固めなければ外出さえままならない。
今思い出しただけでも、外に出るのが億劫になる。

さて、予約したところで、レストランで料理がなかなか来ずに、
タクシーの予約時間までに終わらなかったりしたら、ドライバーに連絡。
「少し待っててください。」

ランチ中の会話で、よい食材が近所で手に入るとの情報。
その店に回ってから帰りたい。。。
そんな時は、まずその店の住所から確認し、ドライバーに連絡。
「迎えの場所変更。〇〇通りの何番地に来てください。」

当時は今のように、ドライバーがみんなナビを備えている訳でもなく
しかも信じられないくらい道を知らない人が多かった。
なので、こちらも地図(Googleじゃなくて!)を片手に
「右へ。」「そこはまっすぐに」
などと指示が必要な場合も多かった。

繰り返しますが、ロシア語です。

ロシア人の秘書もお抱えドライバーもいない在モス駐在員の家族にとって、
冒頭にあげたA4のアンチョコ用紙が、
どれだけ重要なものだったか、想像頂けたのではないだろうか。

そんな状況下、
私が引っ越してくると同時くらいに、新しいタクシー会社が出来た。
そこはなんと、英語のオペレーターが対応してくれるのだ。
ぎこちない英語ではあったが、それでも全てをロシア語で行うよりは
軽く100倍くらいは楽だったはずだ。

実を言うと私は、
幸いにして、そんな100倍くらい楽なタクシーからしか利用したことがない。
なので、予約に関してはほとんど英語で行えた。
ただ、ドライバーの条件はほとんど同じだったので
件のアンチョコは、それなりに活用させていただいた。

コピーに次ぐコピーで拡散しまくられ、
どこのどなたが作成なさったものなのか、皆目見当もつきませんが
作者の方には、この場を借りて、心からお礼を言いたい。
本当に、ありがとうございました。

時代は巡り、あれから丸8年。
モスクワには今、Gett Taxiやら、Yandex Taxiやらといった
タクシーのアプリがある。
普通にタクシーが街中で拾えるようになった、とかじゃなく
いきなり「アプリ」だ。

BlogPaint
Gett Taxi の予約画面

迎えに来るべき現在地は勝手に検索され、住所が表示される。
行きたい場所はアプリ内で検索して住所を入れることもできる。
注文ボタンを押すと、近所にいるタクシーを検索し
アプリがドライバーに連絡、
注文を受けたドライバーの情報はすぐにアプリに現れ
ドライバーの名前も車種やナンバー、現在地まで表示され、
何分後に迎えに来るかも計算される。

いつの間にかGoogleマップとも連動されてて
ルート検索をするとGett Taxiでの時間と料金を見積もってくれるようになっている。

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GoogleマップでのGett Taxi画面

カード情報を登録しておけば、
そのままキャッシュレスで精算までできる。
Gettアプリもご覧の通りの英語表示対応。

数日前に予約をいれなければならなかったあの当時から比べると、
1000倍くらいは楽な実感。
もはや日本でタクシー利用するより楽なんじゃないかとさえ思う。。。

最近当地へ赴任になったみなさんは、
「思っていたより全然暮らしやすいですぅ〜♪」とかおっしゃいますが、
ソレ、マジでこの数年の変化なんすよ。。。(T^T)

昔は、昔は、とばかり言ってると、
年寄り感がハンパないのは重々承知なんだけど
この変化が10年にも満たない時間に起きたことなんだよなぁ〜(= =) トオイメ

もし10年後、モスクワを訪れる機会があったら
きっとまた全然違う町になってるんだろうな。
少し寂しい気もするけど、後戻りはして欲しくない。

だって、タクシーに関しては、いろいろ大変な思いしたからね。(ーー)

参考1:ところで、その後のタクシー事情@モスクワ
参考2:もはや理解不能、タクシードライバー@モスクワ

これからも頑張れよ、モスクワw


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この記事へのコメント
1. Posted by 天使のパン屋さん   2016年11月11日 04:09
ジーン(。ŏ﹏ŏ)ときちゃいますねこの記事…
夜遅く一人で出かけたりすることになった時、予約必須の時はハラハラしてたけど、今は気にせず好きな時間に安全に帰れる。"私はなんて自由なんだ〜っっ!"とアプリが出来てしみじみ感じました。
がんばれモスクワ(笑)!
これからも変わりゆくこの街を見守ります!
2. Posted by りり   2016年11月12日 23:32
天パンさんw
そうでしょ〜!
だから「昔は、昔はっ!!」って昔話を持ち出して
「アンタタチ、恵まれてんのよっっ!(T−T)」って息巻くオバさんを
生暖かい目で見てあげてね。。。( ̄ー ̄;)
そして、モスクワのこれからを、しっかり見届けて報告してねっ♪

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