ティスティプルディ
2015年02月20日
モスクワ・メトロは美術館〜後半〜
さて、前半から引き続いて“メトロ美術館”のツアー、後半です。
前回はモスクワ東部のエレクトロザボツカヤという青のラインの駅から始まり
4番目の駅、キエフスカヤまで紹介したので、今回は5番目の駅から。
5)ベラルースカヤ Белору́сская
キエフスカヤ同様、ベラルーシへの長距離列車の駅がある。
古代ローマの邸宅にインスパイアされてデザインされたこの駅は、
天井にベラルーシ人の生活を描いた12のモザイク絵が、
床にはベラルーシの刺繍やオーナメントの模様がデザインされている。
1951年にスターリン賞なるものを受賞したんだとか。
6)ノボスラボーツカヤ Новослобо́дская
建築家アレクセイ・ドゥーシュキンの最期の作品。
32のステンドグラスは
建築家、地理学者、芸術家、エネルギー技術者、音楽家、農学家の姿を描いている。
プラットホーム突き当たりのモザイク画は著名なアーティストPavel Korinのもの。
「世界中の平和」というタイトルなんだそうな。。。
モスクワ・メトロのコンセプトは中々良いですね。。。^^;;;
7)コムソモルスカヤ Комсомо́льская
モスクワの玄関口としてデザインされた、
サンクト・ペテルブルク、ヤロスラブリ、カザン方面等、
3つの列車駅が到着するハブであり、もっとも活気ある駅の一つで、
地方から訪れる労働者の姿もここではとりわけ多くみられる。
天井のモザイク画は8枚。
「自由と独立の為の歴史的闘い」というテーマで描かれている。
1380年、グリコヴォの戦いの後を描いたもの。
スターリン時代からの帝国スタイルの頂点であり、
革命前からのモスクワ、バロック様式がモチーフ。
1858年にベラルーシで行われた国際展示会でグランプリを取っている。
(赤のラインに乗り換え。。。)
8)チスティプルディ Чи́стые пруды́
第二次世界大戦中、ソ連防空軍オフィスとして使われ
電車はこの駅には止まらず、プラットホームは合板によって隔離されていた。
。。。だからかどうか分からないけど、写真撮影をしていたら
お巡りさんに「ここは撮影しちゃダメ!」と止められた。。。
(上の写真は止められる前に、かろうじて撮っていた1枚)
モスクワ・メトロのHPでは、明確にアマチュアの写真撮影は許可されてるのに。。。
まだ撮影されては困る秘密があるのか、
はたまた、お巡りさんの気まぐれで、ちょっと外人に意地悪したのか。。。(´ヘ`;)ウーム…
いずれにしても、見る建築としての楽しさはあまりなさそうな地味な駅だ。
電車が通るたびに電信が妨害され、書類が机から落ちたという話。
そりゃそーだわなw
9)ノボクズネツカヤ Новокузнецкая
(緑のラインに乗り換え)
ここのモザイクは1940年代、
飢餓で瀕死状態にあるレニングラードでVladimir Frolovによって作られた。
これを完成させた数日後に亡くなったという。
ソ連戦士への敬意を表したデザインで、ソビエト連邦国家賞を受賞している。
10)マヤコフスカヤ Маяковская
アレクセイ・ドゥーシュキンの代表作となったこの駅、
1938年にニューヨークで開かれた、世界建築博覧会でグランプリを受賞している。
世界で最も美しく、有名な駅の一つとされている。
34ある天井のフラスコ画は、「24時間、ソビエトの空」というテーマで
朝、昼、晩、そして再び朝が描かれている。
この駅も防空壕としての役割があったため、33mの深さに作られている。
エスカレーターもなかなか乗り応えがあるw
地上に近づくと見えてくるのは、
「モスクワの空」ウラジミール・マヤコフスキーの詩にちなんだモザイクだ。
地上に上がると、今日もマヤコフスキーが、モスクワの空を見ている。
※マヤコフスカヤは以前コチラでも記事にしています。
紹介したい駅は、まだまだ沢山あるけど、今回はここまで。
たった40ルーブル程度で、これだけ楽しめるのは
たぶん、間違いなく「一番安くて素晴らしい美術館」だよね♪
参考:
Wikipedia Moscow Metro
Russia Beyond The Headline
「What to see in the Metro, Moscow’s cheapest and most incredible museum」