フクシマ
2011年05月18日
チェルノブイリとフクシマと。。。
福島の事故を受けて
ロシアの原発は、追加の調査を行い、停止させる可能性が語られています。
ロスアトム(国営原子力企業)では、既存の原発の耐震強度の決定をし、
複雑な作業を要するようであれば、原子炉の停止をするとしました。
原発サイトには2ヶ月〜半年分のディーゼル発電機や貯水プールの供給も計画しています。
これらの費用は日本同様、電気料に跳ね返り、消費者に負担させるものという事。
国としては脱原発方向ではなく、次世代の新しい原発への移行を表明してます。
新しい原発は、震度9と14mの津波を想定しており、
福島の事故を引き起こした状況でも耐えうるとしています。
また、原子力工業化学情報サイトの nuclear.ruの投票では
福島の事故を受けての反応は以下の様になっています:
危険だ 35.56%
原子力ルネッサンスの終焉 15.07%
特に変わりはない 40.87%
原発技術の信頼性を確認 8.50%
(4月17日現在)
以前の数値が分からないので、これだけでは何とも言えませんが
どちらかに偏るでなく。。。と言った所でしょうか。
政府の方針も、フクシマがロシアの原発政策に大きく影響している様には思えません。
では、一般の人はどう思っているのでしょう。
大きく言えば、ロシアでは原発の事が大きく議論されていると言う事はありません。
情報を手に入れようと思っても、なかなか手に入らない。
でも、日々減って行く報道の量と、収束の見えない状況を考えると、おかしいと感じる。
。。。そんな風に言う人もいました。
少なくとも、放射性物質への不安を持っている人は少なからず居るのは確かな様です。
例えば、ガイガーカウンターは、ここモスクワでも品薄です。
もちろんそれは、日本人が大量に購入して持ち帰ったと言う事もある様ですが
ロシア人達も少なからず購入しています。
今の所、フクシマの放射線の影響はモスクワには到達していません。
(少なくとも懸念する量は来ていない。)
このブログのヘビーリーダーの方は(居るのか?!(^^;))
私がモスクワの街でガイガーカウンターを持ち歩いているのはご存知だと思いますが
私の計測でも、フクシマ以降におかしな数値が出たという事はありません。
それでもロシア人がガイガーカウンターを求める理由は
私達日本人と同じ。
政府発表が信じられない、自分の目で確認したい、と言う事です。
ロシア人には、チェルノブイリの時にさんざん情報隠蔽されたと言う経験があります。
政府が信じられないのは、無理もない事です。
実は、ロシア人の日本という国に対する信頼度は相当な物です。
それでも、今回の件については
「日本の政府発表を信頼するな」
というアドバイスをしてくる人は、私の周りでは少なくありません。
自分の身を自分で守れ。。。と言う事だと、私は理解しました。
チェルノブイリの放射能に晒され
補償の多くを国が解体される中でウヤムヤにされ
今なお、その影響に苦しむ多くの人を抱えつつも、公に問題視される事もない。
それでも、何かおかしな事が起こっている事はみんな知っている。。。
政府が自分たちに何をしてくれて、何をしてくれないのか
この国の人達は、良くわかっているのです。
また、日本からロシアに運ばれて来る商品に対しても
“それなりの対応”が求められています。
輸入の際に放射線チェックが行われるのはもちろんの事
企業としても、
安全確認が行われている事を消費者に伝わる様に計らう事が重要になって来ています。
ロシア人に人気の日本の商品の一つに、紙オムツがありますが
フクシマの直後、これから入って来る商品が汚染されているのではないかとの懸念から
一時期オムツの買いだめに走った人も居たようです。
さて。。。先の4月26日で、当のチェルノブイリの事故から25年が経ちました。
グランンド・ゼロ周辺の町は、今も死の町。
その周りの広い地域でも、今でも農作物を作る事は禁止されています。
それでもそこでこっそり作って、地元では売れないので
モスクワ等に持って来て売っているとの事ですが。。。orz
キエフ(ウクライナ)に住んでいた人の話では
現地では、チェルノブイリの放射性物質が土壌を汚染し
水路へ流れ込んでいるというのが共通認識のようです。
もちろん、選択の余地がないので、現地の人達はその水を使います。
また、放射能の吸収率の高い鉱物で出来た建物があるらしいのですが
その建物に触ったり、寄りかかったりすると、危ない、と注意されるそうです。
他にも、放射能含有率の高いキノコ類は口にしない。。。等々。。。
実は、私が以前住んでいたドイツでも
今でもキノコの産地には気をつける様にと注意喚起がされています。
日本に住んでいる時は、薄れつつあるチェルノブイリが
ドイツに引っ越した途端に、“歴史”から“現在”に引き戻された感覚を
今でもハッキリ覚えています。
つまりそれは、20年以上前のレベル7の大事故が
現地や周辺諸国の人達にとっては、過去の事ではなく“忌々しい今”である事に
気付かされた時でもあるわけです。
フクシマの“今”が“歴史”になるのがいつの日の事なのか。。。
誰か答えを持っているでしょうか。
フクシマはまだ2ヶ月しか経っていません。
今だからまだ取り返しがつくかもしれない事が
まだ残されてる様な気がしてなりません。
25年後の日本が
チェルノブイリとその周辺の『今』よりも、ずっとずっと良い環境であるように
子供達が健やかに育ち、社会を支える大人となっていられるように
日本の『今』を変えなければいけない。。。と、私は日々悶々とするのです。
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ロシアの原発は、追加の調査を行い、停止させる可能性が語られています。
ロスアトム(国営原子力企業)では、既存の原発の耐震強度の決定をし、
複雑な作業を要するようであれば、原子炉の停止をするとしました。
原発サイトには2ヶ月〜半年分のディーゼル発電機や貯水プールの供給も計画しています。
これらの費用は日本同様、電気料に跳ね返り、消費者に負担させるものという事。
国としては脱原発方向ではなく、次世代の新しい原発への移行を表明してます。
新しい原発は、震度9と14mの津波を想定しており、
福島の事故を引き起こした状況でも耐えうるとしています。
また、原子力工業化学情報サイトの nuclear.ruの投票では
福島の事故を受けての反応は以下の様になっています:
危険だ 35.56%
原子力ルネッサンスの終焉 15.07%
特に変わりはない 40.87%
原発技術の信頼性を確認 8.50%
(4月17日現在)
以前の数値が分からないので、これだけでは何とも言えませんが
どちらかに偏るでなく。。。と言った所でしょうか。
政府の方針も、フクシマがロシアの原発政策に大きく影響している様には思えません。
では、一般の人はどう思っているのでしょう。
大きく言えば、ロシアでは原発の事が大きく議論されていると言う事はありません。
情報を手に入れようと思っても、なかなか手に入らない。
でも、日々減って行く報道の量と、収束の見えない状況を考えると、おかしいと感じる。
。。。そんな風に言う人もいました。
少なくとも、放射性物質への不安を持っている人は少なからず居るのは確かな様です。
例えば、ガイガーカウンターは、ここモスクワでも品薄です。
もちろんそれは、日本人が大量に購入して持ち帰ったと言う事もある様ですが
ロシア人達も少なからず購入しています。
今の所、フクシマの放射線の影響はモスクワには到達していません。
(少なくとも懸念する量は来ていない。)
このブログのヘビーリーダーの方は(居るのか?!(^^;))
私がモスクワの街でガイガーカウンターを持ち歩いているのはご存知だと思いますが
私の計測でも、フクシマ以降におかしな数値が出たという事はありません。
それでもロシア人がガイガーカウンターを求める理由は
私達日本人と同じ。
政府発表が信じられない、自分の目で確認したい、と言う事です。
ロシア人には、チェルノブイリの時にさんざん情報隠蔽されたと言う経験があります。
政府が信じられないのは、無理もない事です。
実は、ロシア人の日本という国に対する信頼度は相当な物です。
それでも、今回の件については
「日本の政府発表を信頼するな」
というアドバイスをしてくる人は、私の周りでは少なくありません。
自分の身を自分で守れ。。。と言う事だと、私は理解しました。
チェルノブイリの放射能に晒され
補償の多くを国が解体される中でウヤムヤにされ
今なお、その影響に苦しむ多くの人を抱えつつも、公に問題視される事もない。
それでも、何かおかしな事が起こっている事はみんな知っている。。。
政府が自分たちに何をしてくれて、何をしてくれないのか
この国の人達は、良くわかっているのです。
また、日本からロシアに運ばれて来る商品に対しても
“それなりの対応”が求められています。
輸入の際に放射線チェックが行われるのはもちろんの事
企業としても、
安全確認が行われている事を消費者に伝わる様に計らう事が重要になって来ています。
ロシア人に人気の日本の商品の一つに、紙オムツがありますが
フクシマの直後、これから入って来る商品が汚染されているのではないかとの懸念から
一時期オムツの買いだめに走った人も居たようです。
さて。。。先の4月26日で、当のチェルノブイリの事故から25年が経ちました。
グランンド・ゼロ周辺の町は、今も死の町。
その周りの広い地域でも、今でも農作物を作る事は禁止されています。
それでもそこでこっそり作って、地元では売れないので
モスクワ等に持って来て売っているとの事ですが。。。orz
キエフ(ウクライナ)に住んでいた人の話では
現地では、チェルノブイリの放射性物質が土壌を汚染し
水路へ流れ込んでいるというのが共通認識のようです。
もちろん、選択の余地がないので、現地の人達はその水を使います。
また、放射能の吸収率の高い鉱物で出来た建物があるらしいのですが
その建物に触ったり、寄りかかったりすると、危ない、と注意されるそうです。
他にも、放射能含有率の高いキノコ類は口にしない。。。等々。。。
実は、私が以前住んでいたドイツでも
今でもキノコの産地には気をつける様にと注意喚起がされています。
日本に住んでいる時は、薄れつつあるチェルノブイリが
ドイツに引っ越した途端に、“歴史”から“現在”に引き戻された感覚を
今でもハッキリ覚えています。
つまりそれは、20年以上前のレベル7の大事故が
現地や周辺諸国の人達にとっては、過去の事ではなく“忌々しい今”である事に
気付かされた時でもあるわけです。
フクシマの“今”が“歴史”になるのがいつの日の事なのか。。。
誰か答えを持っているでしょうか。
フクシマはまだ2ヶ月しか経っていません。
今だからまだ取り返しがつくかもしれない事が
まだ残されてる様な気がしてなりません。
25年後の日本が
チェルノブイリとその周辺の『今』よりも、ずっとずっと良い環境であるように
子供達が健やかに育ち、社会を支える大人となっていられるように
日本の『今』を変えなければいけない。。。と、私は日々悶々とするのです。