ピッツェリア Bocca di Bacco│ドジョウの描く青写真
2011年10月10日

アンナとウラジーミル

先日5日のスティーブ・ジョブズの訃報を知ったその日
近所のApple正規代理店(ロシアにAppleストアはない)を見に行った。

かねがね、ロシア人のApple商品使用率は高いと思っていた。
少なくともドイツよりは多い様に見えるし
iPhoneもかなりの人が持っている。
総じて、新商品の正規販売開始時期は、ロシアでは他国に遅れを取っているが
どこで仕入れて来ているのか(ガルブーシカか?)iPhone4もiPadも
正規販売開始の前から持っている人が非常に多かった。

さぞや、ジョブスの死に、みな心を痛めている筈。。。

と、思いきや、亡くなった5日にはお店の前は静かなもんだった。

しかしその後、アメリカや日本はもちろん、
世界中がその死を悼み、花やリンゴをAppleストア前に捧げていた様子を
ニュースなんかで(多分)見て、その内、花を手向けに来る人も居るだろうと思っていた。

。。。が。。。


1009_1

まー奇麗なもんですわ。(ーー;)

この店、モスクワの中でも結構賑やかな通りの店な筈なので
他の店でもきっと、花なんて置いて行く人居ないのかもね。。。

ま、それはともかく。。。

ジョブズの死から2日後の7日。
5年前のその日、ロシアに取ってはジョブズよりもずっと意味のある人を亡くした。

元ノーバヤ・ガゼータの記者、アンナ・ポリトコフスカヤだ。

チェチェンに対するロシアの政策を激しく非難し
常に反体制側に立ち
その長であるプーチンも批判していた事で知られている。

5年前の10月7日。
自宅アパートの前で、彼女は凶弾に倒れた。
彼女を惜しんで、アパートの前には、今日もまだ沢山の花が手向けられている。

1009_2

現場は、モスクワのど真ん中。


1009_3

目抜き通りからも、地下鉄駅からも数分と離れていない。

知ってはいたけど。。。改めてここだと思うと、愕然とする程
暗殺には不向きな場所だ。

彼女の事件は、まだ終わっていない。

一度はチェチェン人や元警官等、事件に関わったとされる容疑者4人が捕まったが
全員が証拠不十分として無罪を言い渡されたが、直後、審理差し戻しが命じられた。
今年5月、8月にも“実行犯”や“見張り役”とされた容疑者がモルドバやモスクワで
逮捕されている。
さらに、先に無罪とされた4人のうち3人が殺害に与したと認定されたが
誰が本当の黒幕なのかは依然として分かっていない。

そもそも、チェチェン人の為に、文字通り命を掛けて筆を執っていた彼女が
チェチェン人によって殺されるなんて。。。と、大方の人が思うと思う。

彼女自身、
「FSB(元のKGB)に雇われて動いているチェチェン人がいる。」
という発言をしているらしい。

つまり、黒幕は

“チェチェン人によって殺害させる事の意味と世間に与える印象”

までもを考えての犯行であった事が伺われる。
「FSBがチェチェン人を使っている」というのは、つまりそのような疑惑があると言う事。
映画以上のストーリーだよね。

1009_5

来年の選挙で、プーチン現首相が大統領に返り咲く事が“決まっている”。
。。。てか。。。決定事項に選挙なんていらねーじゃん。。。茶番だよ、茶番。。。(ーー)

一部では、プーチンの人気が揺るぎないかの様に報道されているけど
少なくとも私の周りではさにあらず。

「ナーシ」と言われるプーチンの支持団体も彼自身によって作られ
有給で組織されていると聞いた。
今のロシアの若者は仕事もなく、停滞感や閉塞感に疲弊していると言う。
「ナーシ」はそんな若者の受け皿にもなっているらしい。

オリガルヒ(ソ連崩壊後の混乱に乗じてウルトラリッチになった極少数の人達)の一掃をして
“一般市民”のヒーローとなったプーチンの周りでは今
“オリガルヒ的な者”達がグリーン席を陣取って私腹を肥やしている。
プーチンに、かつてのような「強きをくじき、弱きを助ける」英雄を見ている人は少ない。
情報はより内向きに、汚職はシステムの様に蔓延したまま
メドベエは、プーチンにバトンを返す事になる。



実際、そんなプーチン政権を揶揄して

「スターリン返り」

という言葉が使われていたりもする。


一説によると、ロシアでは2000年から昨年まで、
少なくとも22人の報道関係者が殺害されたと言う。
プーチンが大統領に就任したのは2000年。。。

これも嘘か真か
ロシアの殺人事件検挙率は80%とも。。。
しかしジャーナリストの殺人に関してはわずか6%。。。
。。。(ーー)。。。

混乱を治める事が最大の目的であり、願いであった筈のロシアから10年が過ぎ
今、かつての混乱からは随分太平となった。少なくとも表面上は。
この先の10年をプーチン政権で始めるロシアが求めるのは
少なくとも、言論統制や、政敵の粛正ではない筈。

アンナ・ポリトコフスカヤ暗殺事件の捜査の行方が
プーチン政権の方向性を見る、一つの指標になるかも。。。
。。。って言うのは言い過ぎかな。。。(ーvー;)

1009_4

ところで今日(10日)はりり(昔飼ってたネコ)の命日でもありマッス。(^^)


人気ブログランキングへ にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ
risurisu_journal at 15:00│ブログランキング│Comments(2)│TrackBack(0)│ このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック │ニュース 
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by ケディ   2011年10月10日 21:12
リリ様、初めまして!
いつもコッソリ楽しく拝読している者です。最近ロシアに関心がありまして、偶然リリさんのブログを発見して以来コッソリお邪魔しております。
私はトルコに住んでいたことがありまして、イスタンブルにも多くのチェチェンの方々が住んでおります。先月、イスタンブルで3人のチェチェン人(元野戦司令官)が暗殺される事件が起き、現地の報道によりますと、犯人はFSBのスパイとカディロフに近いチェチェン人達の合同チームのようです。
プーチン復帰後のロシアの動向から益々目が離せません。これからもロシアからの情報を楽しみにしております♪厳しい冬の到来も近いと思いますが、どうぞご自愛下さい。突然失礼致しました。
2. Posted by りり   2011年10月13日 00:36
ケディさん、
初めまして!コメントありがとうございます。

トルコも意外と微妙な位置にありますからね〜。国内事情は複雑ですよね。
現地の報道、ほとんど「プーちゃんの仕業です」と言ってる様なもんですよね。(^^;)
ホント、来年からどうなるのか。日本の政治追ってくのだけでも大変なのに、こちらでも何か大きな事が起こりそうな予感がします。

お気遣い、ありがとうございます。ケディさんも、どうぞお気をつけて。
また何か気付いた事があった際にでも、コメント頂けましたら嬉しいです。
これからも、どうぞよろしくお願い致します♪

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
ピッツェリア Bocca di Bacco│ドジョウの描く青写真